最近、住宅メーカーのテレビCMなどで「ZEH」や「ゼロエネルギー住宅」といった言葉をよく耳にすると思います。
しかし「何となく聞いたことはあるけれど、どういうものなのかは知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではZEHとは何か、また住宅をZEHにすることでどのようなメリットがあるのか等、解説しています。
ZEHとは
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)の略で「ゼッチ」と読みます。
ネットとは、正味とか実質という意味で、「余分なものは含まない・中身だけの」という意味です。
ゼロ・エネルギー・ハウスとは電気などの消費エネルギーがない(=ゼロになる)家のことでゼロエネルギー住宅ともいいます。
「消費エネルギーがゼロになる」といっても、電気を全く使わないという意味ではありません。
現代を生きる限り、電気をまったく使わない生活というのはちょっと無理ですよね。
では、どうやって消費エネルギーをゼロにするかというと、次の3つを組み合わせて、年間のエネルギー消費量の収支がゼロになるよう目指します。
- 壁に断熱材を入れるなどして断熱性能を向上させる
- 高効率のエアコンや給湯器などで省エネ性能を高める
- 太陽光発電などでエネルギーを創出する
つまり、ZEHとは、省エネと創エネを組み合わせ、年間のエネルギー消費量が概ねプラマイゼロになる住宅のことをいいます。
ちなみにネットの対義語はグロスです。総計という意味で、「全体で・総体で」という意味になります。
ZEHのメリット
ZEHのメリットは主に次の3つがあげられます。
光熱費などのランニングコストがかからない
ZEHにすることで、エネルギーの消費量がゼロになりますから、電力会社から電気を買う、ということがなくなります。
また、断熱効果が高まることで、暖房器具の使い方も変わってきます。ガスを使用した床暖房などの暖房器具であれば、ガス代も節約できます。
仮に電気代が毎月8,000円だとした場合、30年間ZEHにしている住宅に住み続けると、288万円も節約できることになります。これは大きいメリットですね。
補助金がもらえる
とはいえZEHにするためには壁や窓に断熱材を入れ、高性能のエアコン設備などを導入する必要があります。
また、エネルギーを創り出すためには太陽光発電システムなどの設置も必要です。
そうすると、どうしてもイニシャルコスト(導入費用)がかかってきてしまうのですが、実は国がZEHにする人のために、費用の一部を補助してくれる制度というのがあります。
平成30年度のZEH支援事業では、対象の住宅一戸あたり70万円(全国一律)を補助してくれます。
さらに、蓄電システムを導入する場合は、蓄電システムの容量に応じた補助金を別にもらうことができます。
また、国の支援事業とは別に、都道府県や市区町村単位で同様の補助制度がある場合もあります。
横浜市の場合「横浜市ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)普及促進補助制度」があり、国のZEH要件を満たせば、設備機器費の2分の1(上限金額50万円)をもらうことができます。
国、都道府県、市区町村すべての補助金が併用可能な場合もあるため、ZEHにするときは申請漏れのないようにしたいですね。
ちなみにこうした申請はハウスメーカーや工務店が代行してくれるのですが、「まだどこで建てるか決まっていない」という方は持ち家計画のようなサイトで、相談するのもいいかもしれません。
家が過ごしやすい環境になる
ZEHにすることで家の中で温度のバラつきがなくなります。
冬場、お風呂がひんやりして心臓がバクバクした経験はありませんか?
ZEHにするということは、壁や窓の断熱効果を大幅に向上させるということなので、場所による温度差が少なくなります。
また、安いエアコンだと冷え過ぎ、温めすぎということが起こりますが、高性能のエアコンならそういった心配がなくなります。
つまり、ZEHにすることで家の中が快適に過ごしやすくなるというわけですね。
ZEHで補助金をもらうには?
ZEHで補助金をもらうためには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。
例えば、申請者が常に居住しないような別荘や、住宅と店舗が併用されているような家は補助金制度の対象外です。
また、ZEHにすることで、どれだけ熱を逃がさないか、ということをきちんと数値化して、求められる基準を満たす必要もあります。
省エネ性能の高いエアコンや太陽光発電も設備を導入するだけでOKというわけにはいきません。
これらの設備を導入することによって目標とするエネルギー消費量の削減ができているか、といったことをクリアしないといけないのです。
せっかくZEHの基準に満たすように施工したのに、補助金申請をしたら落選した! というような話もあります。
ランニングコストで長い時間をかければ回収はできますが、やはり補助金が出るのと出ないのとでは大きな違いですよね。
このあたりはやはり審査基準などにも詳しいZEHビルダーと呼ばれるハウスメーカーや工務店でしっかりと確認するしかありません。
大手ハウスメーカーだから良い、というわけでもないようなので、知名度の高い低いに関わらず、信頼のおけるハウスメーカー・工務店を見つけたいものですね。
まとめ
ZEHにする最大のメリットはやはりランニングコストを大幅に抑えられることです。
導入費は太陽光発電を単体で導入するのと比べ高くなりますが、少しでも今後のことを考えるなら補助金がある今のうちにZEHにするのもありかもしれません。
太陽光発電の一括見積もりをするついでに、ZEHにした場合、どれくらいの金額で導入できるか確認してみるのもいいでしょう。
というわけでこの記事では、ZEHとは何か、また補助金の条件などを解説しました!
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