「隣の家族は青く見える」がおもしろい3つの理由

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いろいろな価値観を取り上げたことで話題となっているドラマ「隣の家族は青く見える」だが、物語もいよいよクライマックス、どのような最後を迎えるのか非常に楽しみだ。

ネットニュースではどうしてもLGBTの部分だけが注目されてしまうが、僕はこのドラマはこれまでのドラマとは一味違ったところがあると思って見ている。

この記事では、まだ隣の家族は青く見えるを見ていない方のために、ざっくりとストーリーを紹介し、また他のドラマと何が違うのか、何がおもしろいのか、ということを紹介したいとい思う。

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ドラマ「隣の家族は青く見える」とは?

隣の家族は青く見えるは、毎週木曜日22:00から放送されているフジテレビのドラマである。

このドラマのキーとなるのが”コーポラディブハウス”。コーポラティブハウスというのは、入居希望者が集まって、自分たちが住む家の土地を決めたり、そこに建てる家や共有スペースをどうするかをみんなで意見を出し合い、設計から建築に至るまでを共同で行う集合住宅のことだ。

つまり、入居希望者は入居前からそれぞれ皆顔見知りで、お互いどういう人が隣人になるのかわかっている、ということになる。そして、このドラマは、そのコーポラティブハウスにに住む4組の家族(?)の人間模様を描いたドラマである。

隣の家族は青く見えるに登場する人物

さきほど4組の家族にあえて「(?)」を付けたが、実はこの4組、それぞれ他人には言えない悩みを抱えている。簡単に、それぞれの家族について紹介したい。

五十嵐家

五十嵐奈々(深田恭子)と五十嵐大器(松山ケンイチ)の2人家族。数年前、奈々が務めるスキューバーダイビング教室で大器が溺れてしまったことから二人の恋が始まる。結婚してからは、二人で小さなアパートに住み、節約に励み、ついに念願のコーポラティブハウスを購入する。

大器はおもちゃメーカーに勤めており、大の子供好き。奈々も、大器との子を授かることを強く望んでおり、1年前から妊活をしている。しかし、いくら経っても赤ちゃんができない……。二人は意を決して産婦人科を訪れるが、そこで医者から不妊症であることを告げられる。そこから、二人の辛い不妊治療の日々が始まることになる。

小宮山家

小宮山深雪(真飛聖)と小宮山真一郎(野間口徹)、そして2人の子供がいる4人家族。真一郎は商社マンで、仕事のために家族を犠牲にしてきたタイプの人だ。しかし、子供が一番可愛い時期に日本にいられなかったこと、やっと本社勤務になると思っていたら、またしても海外赴任を命じられたことなどで、疲れて果ててしまい、会社を辞めてしまう。

一方深雪は、誰もが羨む完璧な妻、母を演じるが、実際は商社マンである夫や、優秀な子をステータスに感じるようなタイプ。そのため、真一郎が無職になったことを恥ずかしく思い、日中は家にいないように命じる。また、”女は子を産むもの”という価値観を他人に押し付けることで、他の家族と衝突することもしばしば。とにかく他人に羨ましく思われたい(リア充代行サービスを雇ってしまうほど)という願望が強い女性だ。

川村・杉崎家

川村亮司(平山浩行)と杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)の2人家族。婚約し結婚を控えているが、ちひろは結婚後も一生子供を作るつもりはなく、キャリアウーマンとしてバリバリと仕事をしていこうと考えている。亮司もそんなちひろを受け入れて結婚することに承諾している。

そんな亮司だが、実は前妻との子、亮太(和田庵)がいて、前妻の死をきっかけに、数年ぶりに亮太と顔をあわせることになる。亮太は母親の死というショックから立ち直れずにおり、亮司は父親としてなんとか手助けできないか考える。そして、ちひろに許可を得ることなく、亮太と同居することを決めてしまうのだ。

ちひろも亮司も始めは婚約解消をしようと考えていたが、なんだかんだよりをもどして、亮司、ちひろ、亮太の3人での生活がスタートする。

広瀬・青木家

広瀬渉(眞島秀和)と青木朔(北村匠海)の同性カップル。広瀬はこのコーポラティブハウスを設計した建築士で、最初は一人で居住しようと考えていた。しかし、住宅が完成するのと同じタイミングで朔と付き合いはじめ、朔が転がりこんできてしまう。

広瀬はカミングアウトはせず、あくまでも朔を親戚として他の家族に紹介するが、二人の行動に怪しい点もあり、すぐにバレてしまうことになる。五十嵐家、川村・杉崎家は好意的に受け入れるが、世間体を気にする小宮山深雪は、拒否反応を示し、なかなか二人を受け入れることができない。

隣の家族は青く見えるがおもしろい3つの理由

だいたいのストーリーはおわかりいただけただろうか。もっと細かく知りたいという方は、フジテレビの公式サイトから各話の完全ストーリーをブログ形式で見ることができる。また、FODプレミアムでは、見逃し配信の対象となっているため、最新話だけでなく、1話から一気に視聴することができる

隣の家族は青く見えるがおもしろい理由① 決してネガティブな気持ちにさせないところ

どんなに仲睦まじく、羨ましくみえる他人の家族でも、当事者にしかわからない悩みがある。このドラマのタイトルは、そういうことを表すために、隣の芝生は青く見えるをもじって「隣の家族は青く見える」にしたのだと思う。

さらにその悩みは不妊治療、同性愛、無職の夫、ステップアップファミリーとかなり重たいテーマである。上記で紹介したような各家族の事情をみると、なんだかドロドロとして後味の悪いようなドラマを想像する人もいると思う。しかし、実際は違う。

このドラマのスゴイところは、そうした悩みがあるにも関わらず、登場人物みんなが、大変前向きに行動しようとしており、誰かを悪者にしたり、視聴者を不快にさせたりするような表現が一切ないことだ。

ありがちなドラマだと、登場人物の誰かが正しくない行動に突っ走ってしまい、それを主人公が正しい方向に導く、というものがあるが、このドラマでは一応それは深田恭子さん演じる五十嵐奈々が担っている。

しかし、奈々は決して人を説得しようとはせず、ただ自分の考えを述べるに留まる。また他の登場人物も奈々に影響を受けて正しい方向に導かれるというよりは、自分や、自分の家族と真剣に向き合いながらそれぞれの価値観に合った答えを出していく、というものなのである。

隣の家族は青く見えるでは、正義対悪という構図が成り立たないため、爽快という気分を味わえるものではないが、どの登場人物も本気で悩み、時に人とぶつかりあいながら成長していく過程は、心突き動かされ、大変温かい気持ちになることができる

隣の家族は青く見えるがおもしろい理由② 誰も非難することができないところ

ドラマでは真飛聖さん演じる小宮山深雪が、4家族の中で一番保守的で、他の家族と衝突することが多い。かなり強烈なキャラなので、ついつい深雪の行動に苛立ってしまうこともあるのだが、だからといって、真に深雪を非難することまではできない。

確かに、ゲイを否定したり、女は子供を産むことが一番の幸せ、と発言したりするところは、今の世の中の流れとは明らかに違う。けれど、現実の世界ではそういう人がまだまだいるし、じゃあそういう人たちにLGBTの価値観を認めろ、と強制することも何だか違うなあと思うのである(深雪には深雪の価値観があって、受け入れ難いわけだから)。

このドラマのスゴイところは、そうした個々人の価値観を誰も否定することなく、かといって受け入れるわけでもない、というところだ。五十嵐奈々の母親は不妊治療に反対し、一応最後は納得したような形で終わっているが、本当に受け入れることができたのかどうかはわからない。また、広瀬は母親にゲイをカミングアウトするが、これもすぐに受け入れてもらうことができなかった。

でもそれってすごいリアルだと思わないだろうか。世の中には深雪や、奈々の母親や広瀬の母親のような人たちがまだまだいて、そういう人たちにLGBTやその他の価値観を理解してもらうことって本当に大変だし、時間がかかると思う。いや、実は”理解してもらおう”と考えること自体が間違っていて、「とりあえずわかったけど、私は受け入れられない」というのも一つの価値観として尊重しよう、というメッセージすら感じとれる。そのため、どの登場人物についても安易に非難することができないのである。

多様性、ダイバーシティが叫ばれる昨今だが、このドラマはそうしたダイバーシティの受け止め方を実に深く突いていると思う。

隣の家族は青く見えるがおもしろい理由③ 深キョンが可愛すぎるところ

最後の理由でズッコけた人がいるかもしれないが、これはかなり大きなポイントである。男からみて、女性としての深田恭子さんが可愛いというのはもちろんなのだが、そういう意味とは別に、深田恭子さん演じる奈々が等身大で非常に愛らしいのだ。

女性が主役のドラマでは(というか普通のドラマの主役は)、キャラクタ付け、というものがなされる。例えば「花咲舞が黙ってない」の花咲舞や、「ドクターX」の大門未知子などを思い出してもらればわかりやすいと思う。

もちろんドラマを盛り上げるために、あらかじめ主人公にそうしたキャラ付けをしておくことは大事だ。しかしそのせいで、各話がお決まりパターンになってしまう、ということも最近のドラマでは起こりがちである。

この点、隣の家族は青く見えるの奈々は、そこまで強くキャラ付けがされていないように思える。それって主役がいるドラマとしてどうなの? という意見もあるかもしれないが、そうした存在であるが故に、奈々の言葉は自然に心に染み入るし、不妊治療に励む等身大の女性を描けているんだと思う

そうした自然体で演じている(ようにみえる)ことで、深田恭子さんの健気さ、可愛らしさ、素直さがブラウン管(古!)を通して伝わってくるのだ。ちなみに大器役の松山ケンイチさんもかなり自然体の演技で、強いキャラ設定がされていないように思える。この夫婦を中心にしているからこそ、周りが濃いキャラクタでも調和がとれ、見ていて疲れることがないのだろう。

まとめ

3月8日は第8話が放送され、いよいよ物語はクライマックスへ突入する。予告編では、奈々が妊娠したことや、朔が高校受験に挑む姿が描かれている。

このドラマを毎回楽しみにしている身としては、ぜひすべての家族に幸せになってほしいところである。かといって、ここまで「答えのない」ことをテーマとして進んできたので、ありきたりの最後にはなってほしくない、という複雑な想いもある。

いずれにしても、一度も見たことがない方にも、本当にオススメできるドラマだといえる。FODプレミアムなら1話からすべて視聴することができる。今なら31日間無料でお試しすることができ、無料期間内に解約すれば月額料金も発生しない、ぜひともこの機会に1話から一気にみてもらいたいと思う。

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