太陽光発電の訪問販売が自宅に来て契約しようかどうか悩んでいませんか?
その契約、ちょっと待った方がいいかもしれません。
実は太陽光発電の訪問販売では毎年多くのトラブルが報告されています。
そこで、この記事では太陽光発電の訪問販売で実際にあったトラブル事例とその防止策について紹介しています。
太陽光発電の訪問販売によるトラブル件数
太陽光発電に関するトラブルは地域の消費者生活センターや国民生活センターに多く報告されています。
下のグラフは国民生活センターに寄せられた太陽光発電に関するトラブルのうち、訪問販売における相談件数の推移を表したものです。
出典:国民生活センター PIO-NETに寄せられた相談件数の推移
2012年をピークに年々減少傾向にありますが、それでも年間1,500件を超える相談が寄せられています。
太陽光発電の訪問販売によるトラブル事例
ここからは国民生活センターに寄せられている太陽光発電の訪問販売による主なトラブル事例を紹介します。
売電が始まらない!
太陽光発電のセールストークとして最も多いのが「設置費用は売電をすることで元が取れるので、実質タダで設置できますよ」というもの。
売電というのは太陽光発電で発電した電気を、自宅の中で消費した後、余った電気を電力会社や電力小売業者に売って儲けにすることです。
つまり、この儲けが毎月発生するので数年経てば設置費用を全額回収できる、という太陽光発電のメリットを述べているわけですね。
この話自体は全くのウソというわけではないですが、売電するためには契約完了後、経済産業省や電力会社に申請をしなければならず、売電が開始されるまでに早くても2か月以上はかかります。
悪徳な訪問販売業者はこの部分を細かく説明せず「実質タダ」とか「売電の儲けを設置費用に充てる」ということを強調してきます。
契約した人からすれば、売電したお金ですぐに支払いができるだろう、と思うわけですが、実際はそうではなく設置費用をローンで支払う必要があります。
そのため、売電が始まるまでの間は、設置費用を出費しなければならず、人によっては「売電が始まらないから支払いができない」というトラブルに発展します。
工事がずさんで雨漏りが!
太陽光発電の設置費用が極端に安い場合、おこりがちなトラブルです。
「え? 安い方がいいんじゃないの?」
確かにそうですよね。太陽光発電は高い買い物なので、少しでも安い方がいいように思います。
しかし、相場価格から著しく離れているような異常な安さであった場合要注意です。
というのも、太陽光発電システム(太陽光を使って発電する機器の総称)の卸値は販売業者によって大きな差がないからです。
それなのに異常に安くできるということは、どこかの費用を削っているからに他なりません。ではどこを削るかというとそれは「工事費」です。
工事費には設置作業をする職人さんの給与も含まれています。また、太陽光発電を設置するためのコーキング材など設置に必要な材料費も工事費のひとつです。
これらの費用が削られれば、職人さんのやる気に大きく響き、ずさんな工事をされてしまう可能性が高くなります。材料もケチったせいで、劣化が進みやすくなります。
そのせいで雨漏りが発生した、というトラブルは決して少なくないのです。
太陽光パネルが思ったより発電してくれない!
太陽光発電を設置して、予測通りに売電がされれば、設置費用などの初期費用は10~15年、早ければ7~8年で回収できます。
ただし、それはあくまでも“予測通りに発電した場合”です。
優良業者は、後からクレームが来ないように、かなり低めの発電予測(見積もり)をするのですが、悪徳業者はその逆です。
方角や屋根の傾斜などを一切考慮せず、一番良い状況で見積もりを出してきて「こんなに発電しますから費用分はすぐに回収できますよ!」とウソをつきます。
どこの屋根に設置するかなどは見積書と一緒にもらう図面で確認できるのですが、なかなか素人では判断することができません。
わからないのをいいことにメリットばかりを強調して契約させ、結果として予測より発電しない(=費用が回収できない)というトラブルになるのです。
太陽光発電でトラブルに合わないための防止策
太陽光発電の訪問販売によるトラブルのうち、相談件数の多いトラブル事例を3つ紹介しました。
では、こうしたトラブルに合わないためにはどうすればいいでしょうか。いくつか防止策をまとめてみました。
- 複数の業者から見積もりをとる
- 訪問販売の見積もりが妥当か確認する
- 太陽光発電の基礎知識を身に着ける
- デメリットが何か確認する
- 契約を急かされたら契約しない
これらの防止策について説明していきます。
複数の業者から見積もりをとる
太陽光発電のトラブルに合う人は、訪問販売の営業マンの言葉にのせられて、その場で契約を決めてしまう人が多いようですね。
しかし、それは大変危険なことです。なぜなら1社だけしか見積もりを取らないということは、その提案が良いのか悪いのか判断することすらできないからです。
そのため、訪問販売をきっかけに本気で太陽光発電を検討するのであれば、必ず相(あい)見積もりを取るようにしてください。
価格だけでなく、サービスや保証内容なども他の業者と比べることができるので、訪問販売に来た業者が良い業者なのか悪い業者なのかすぐに判断することができます。
僕も太陽光発電を知るきっかけになったのが訪問販売でしたが、その場では契約せず他の業者に相見積もりを依頼しました。
その結果、訪問販売の業者が提案した契約内容と全く同じなのに、50万円以上も安い見積もりをとることができました。
相見積もりは無料の一括見積もりサイトに登録することで簡単に取ることができます。
例えばタイナビという一括見積もりサイトは、一括見積もりサイトにありがちなしつこい電話勧誘が一切なく、見積もり終了まですべてメールでやり取りすることができます。
また、ソーラーパートナーズという一括見積もりサイトは、中立の立場であるソーラーアドバイザーという担当者がつき、見積もりまでのやり取りはすべてソーラーアドバイザーを通して行います。
いずれの一括見積もりサイトも、30秒~1分程度の入力で簡単に複数業者の見積もり提案を受けることができます。
訪問販売の見積もりが妥当か確認する
複数の業者から見積もりを取れば、だいたいの相場感がわかってきます。ただ、僕の経験上、提示された見積もりの妥当性がわかるのには最低3社以上の比較が必要と考えています。
「とりあえず今来た訪問販売の見積もりが妥当かどうかだけ確認したい」という場合、複数業者の見積もりを取るのは正直メンドくさいですよね。
そんな時は、さきほど紹介したソーラーパートナーズのソーラーアドバイザーに直接無料で相談することができます。
ソーラーパートナーズであれば、一括見積もりを取らなくても、見積もり金額の妥当性を無料で相談することができます。
簡単な手順をのせておきますので参考にしてください。
1. 価格の妥当性相談をする
ここからソーラーパートナーズの公式サイトにアクセスして、トップページに移動します。
少し下にスクロールすると「価格の妥当性相談」というボタンがあるので、そちらをクリックします。
2. 訪問販売業者の提案内容を入力
訪問販売業者からもらった見積書をみながら、提案されたメーカー名を選択し、設置予定のkW数、価格を入力して「次に進む」をクリックします。
なお、価格は太陽光発電システムの費用だけでなく、工事費との合計金額を入力します。
3. 個人情報を入力
必須項目である名前と電話番号を入力します。
任意項目ですが提案を受けたメーカーの型番やパネル枚数、屋根の形状等を選択することでより詳細に見積もり金額の妥当性を確認することができます。
最後に「次に進む」をクリックすればおしまいです。
たったこれだけの手順で、無料で見積もり金額の妥当性を確認することができます。
太陽光発電の基礎知識を身に着ける
太陽光発電の訪問業者がウソをついていないか判断するために、ある程度太陽光発電に関する知識は必要です。
といっても、深いところまで知る必要はありません。そもそも太陽光発電とはどういったものなのか、どういうしくみで電気を売ることができるのか、設置におけるメリット・デメリット、このあたりを抑えておけば十分です。
反対に基礎知識が全くない状態だと訪問販売の業者に言いくるめられてしまったり最悪の場合、騙されてしまったりしてしまいます。
太陽光発電の基礎知識についてはこちらの記事でも紹介しています。
ちなみに身に着けた知識は、「そういえば、太陽光パネルって高温に弱いんですよね?」のように太陽光発電のデメリット部分を積極的に質問してみるといいでしょう。
真面目な業者であれば包み隠さず質問に答えてくれますが、悪徳業者は適当に受け流したりうまく答えられなかったりするのでスグにわかります。
デメリットが何か確認する
太陽光発電はメリットばかりの商品ではありません。デメリットも存在します。
悪徳な訪問販売業者はメリットばかりを言って、お客がその気になることを狙っています。したがって、もしデメリットを何も言わないような業者であった場合は要注意です。
デメリットを言わない業者であった場合、先ほど述べたようにこちらから積極的に質問してみるのがいいでしょう。
仮にあなたに知識がなくても「太陽光発電のデメリットは何ですか?」と聞いてみるだけでも十分効果があります。
さて、ここで僕がよく使っていたとっておきの質問を紹介しましょう。
それは「太陽光発電ってメンテナンスはいらないんですか?」です。
太陽光発電は設置後のメンテナンスが不要、いわゆるメンテナンスフリーと言われ、よく営業トークでも使われています。
しかし、実際のところ経済産業省は発電量を保ち続けるため、また安全に使うためには定期的な点検をした方がいい、ということを公表しています。
つまり、この質問をしてみて「そうなんですよ! メンテナンスフリーなんです」というような返答が返ってきたら悪徳な訪問販売だと思ってほぼ間違いないです。
悪徳業者じゃなかったとしても、この程度の知識もないような業者とは契約しちゃいけません(^▽^;)
契約を急かされたら契約しない
太陽光発電の訪問販売に限らず、すべてのセールスに共通していえることですが、契約を急かすような業者とは契約してはいけません。
例えば「この価格にできるのは今だけなんですよ」とか「実は数に限りがあってすでに他のお客様が検討中なんです」のようなトークをされるとちょっと焦っちゃいますよね。
しかし、それは悪徳業者が契約を急がせたいがための常とう手段です。仮にとても良い条件であったとしても、一度冷静になって考えてみてください。
そもそもいきなり訪問販売にやってきて「今だけなんです」っておかしくないですか?
お得な価格ならもっと前もって来い! という話ですし、他のお客が検討中なら、わざわざ訪問販売する必要もないですよね。
冷静になって考えればわかることなのですが、営業マンはすぐに契約させようとあの手この手を使って僕たちの心を揺さぶります。
そのため、契約を急かされるようなトークがあったらその業者は悪徳業者です。大きなトラブルになる前に「契約しない」と判断するようにしましょう。
まとめ
太陽光発電は、名前こそ有名ですが、しくみやメリットなど詳しいことを知らない人も多く、まだまだ一般的な商品とはいえません。
以前より少なくなったとはいえ、そうした知識の無さにつけこんで、悪徳な訪問販売をする太陽光発電業者が今でもたくさんいます。
記事でも紹介したように悪徳な太陽光発電業者に引っかからないためには、自分自身が太陽光発電の知識を備えておくことが大事です。
とはいえ、働きながらそうした勉強をするというのも大変です。ある程度基本的な知識をおさえたら、あとは中立で信頼できるソーラーアドバイザーに相談するのがいいでしょう。
というわけで、この記事では太陽光発電の訪問販売によるトラブルとその防止策について紹介しました。
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